不動産業界のために、建物調査や重要事項の調査は分離しないと、いつまでもトラブルは治らない。

不動産を仲介(媒介)する業者は、重要事項説明という書面を買主に提供しなければならない。

ところがこの重要事項説明によるトラブルが後立たない。これは業者が正直不動産でないから悪いのか?

この問題は根本からおかしい、不動産を仲介する業者は、契約が成立しない限り報酬をもらえない。そんな業者に物件の権利関係やその他制限を重要事項説明を作らせる。

そうなると、契約成立のためには手心を加えて、買主に不利な情報と巧みに隠遁する可能性が出てくる、明らかに物件を説明している人間が、利害関係者としてどっぷりはまっているので、フェアーな物件説明ができるわけない。中には悪質なごまかしの説明をするものも出てくる。だから重要事項説明に対する忖度が出てくる。

業界を良くしてトラブルを少なくしたいなら、建物調査(ホームインスペクション)やその他の重要な調査は、第三者がやるべきではないだろうか?

なぜ利害関係者である契約時に仲介報酬を得る不動産業者に説明させるのか?本当にそれで正しい重要事項を調査して説明できると、国の優秀な管轄官庁の方は考えているのだろうか?正常な住宅流通が保てると考えているか?

海外では、第三者による専門技術者がきめ細やかに診断し、報告書作成から改修工事の実施まで、遵法性、劣化、修繕更新計画、環境リスク等について現況調査したレポート(デューデリジェンス※)を作成することが多く、購入者や投資家にリスク低減と事業判断のための中立性・信頼性レポートが作成されます。

日本のように、契約を成立させたい不動産業者による重要事項説明とは雲泥の差です、いったい購入者や投資家はどちらを求めているのでしょうか?

このような利害による恣意的な歪曲が起こる余地を残している制度を根本的に治さないと日本の不動産取引によるトラブルは永遠に絶えることはないでしょう。

日本でも、売主は最初に、不動産業者の売却査定を依頼するのではなく、不動産調査会社に調査レポートを作成(有料)してもらい、それに基づいて不動産業者に売却査定や売却依頼をする仕組みにすることが、不動産流通の正常化と購入者の保護になると思います。

※デューデリジェンスとは?

譲渡する物件に対する事前調査のこと、英語ではDue Diligence といい、適切な調査と訳されます。海外では不動産売買案件や企業のM&Aに投資判断としての調査として行われます。

 

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