認知症による不動産トラブルが多発しています。

先日、私が事務局をつとめる「喜ばれる大家の会」で
司法書士さんをお迎えしてお話を聞かせて頂きました。

そこでは、こんなトラブルが紹介されました。

(入居者さんのトラブル)
・家賃滞納
・近隣とのトラブル
・ゴミ屋敷
・孤独死
・入居者の問題まとめ

(不動産の所有者)
・認知症による財産管理の困難
・争続対策・相続税対策ができない。
・高齢者の不動産所有者の諸問題

このような話を聞きました、
現在は寿命と健康年齢との間が大きく年数が開くようになり
多くの高齢者が認知症状態で生きておられることが多くなり
その場合、認知症だと法律行為ができませんので
賃貸契約や金銭消費貸借契約、売買契約は結べず
無効になります。

このようなことで、私も高齢者の所有する不動産の売却で
決済当日、本人に認知症の症状があるため決済できない
ことが度々起こるようになりました。
認知症の症状が見られると、例え契約でサインができていても
決済時に決済することを認めてくれません。

大きな案件だと、相続対策で建てたマンションの底地に
融資のための担保をつけることが建築完了時に発生して
建築代金を支払えないトラブルなどもおきました。
このような場合、相続人予定者に数億円単位の返済負担が
のしかかることもあります。

セミナーの中では、長期入居中で途中で本人が認知症になり
家賃を払ったのか払わなかったのか記憶がない。
このような場合、本人の年金などの入金口座から自動引き落としにする
ような手続きが考えられますが、個人の大家さんで銀行の自動引き落とし
手続きができない方もいますので、その場合は家賃延滞保証会社に
依頼して、引き落とし業務もやってもらうようにしたほうが良いでしょう。

賃貸契約では、独り住まいのお年寄りでは、他にも色々な問題が起きやすいので
家族、親族や連帯保証人との連絡を取れるようにしておくことが必要です。

最近では、高齢者が片付けられずに、お部屋がゴミ屋敷になっている事案も
多く見られるようになりました。
ゴミのように見えても、本人が自分の大切な物だと主張すると他人では
片付けることができません。
こうなると、ご家族などに協力いただき後見人をつけて片付けるしかないです。
とにかく家がゴミだらけになるといつ火事などが起きるかもわかりません
近隣からの苦情もあるでしょうが、物件を守るためにも早い対処が必要です。

孤独死も問題になっていますが、高齢者で体の不調で突然亡くなることも
想定に入れる必要があります、一番問題なのは、亡くなってすぐに
発見できない場合です、そのようなことが起こらないよう、早期発見のため
見守りサービスや設備の導入を入居条件することなども必要です。

また大家さん側もご高齢になると認知症になって来ます。
そうすると、本人が金融機関の口座管理ができなくなり、お金が出せない
支払いができない、などのトラブルがおきます。
金融機関の窓口では、本人さん以外の出金は、後見人以外認めません。

このような問題を解決する方法に、任意後見人、法定後見人、
家族信託契約などがあります。

このような手続きは、高齢者問題に詳しい司法書士さんに相談すると
アドバイスがもらえます。
司法書士さんといえども、不動産取引だけしかわからない司法書士さんではダメ。

以前このような高齢者問題で、相談を受けた時、家族信託がいいと私が
アドバイスして司法書士さんに依頼するように言いました、
ところがその方の知り合いの司法書士さんはできないと行って断られました。
できる方とできない方がいるということです。

下記の今回お話し頂いた司法書士さんの連絡先を入れておきますので、
喜ばれる大家の会で知ったとお伝えの上ご相談ください。

◆脇田直之 司法書士・行政書士・家族信託専門士
◆IS司法書士法人/IS行政書士事務所
072-227-1906

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