私は賃貸不動産の管理会社を経営していますが、家賃を値上げ交渉の上、苦労して値上げしても、それが当然としてお礼や感謝の言葉もない大家さんがいます。
そこで賃貸経営と大家さんの人間性について少しお話しします。
近年のインフレや物価上昇に伴い、賃貸物件の家賃値上げが避けられない状況となっています。しかし、その値上げの仕方や理由には大家ごとの考え方や人間性が大きく影響を与えます。大家の思惑だけで決める人もいれば、入居者の生活を考慮しながら慎重に判断する人もいます。本記事では、家賃の値上げと大家の人間性について考えてみたいと思います。
1. 自分本位な大家の値上げ
市場価格や物件の価値向上を理由に、大家の都合のみで家賃を値上げするケースがあります。こうした大家は、入居者の経済状況や物価上昇の影響を考慮せず、単に収益を最大化することを目的としています。その結果、長期的な入居率の低下や退去率の増加を招き、結果的に安定した賃貸経営が難しくなることもあります。
2. 入居者目線でバランスを取る大家
一方で、家賃値上げが必要であっても、入居者の生活状況や市場動向を考慮しながら慎重に決定する大家もいます。例えば、
物件の維持管理費や固定資産税の上昇分のみを反映する
家賃の値上げ幅を抑え、入居者の負担を最小限にする
設備の改善やサービス向上とともに値上げを実施する
こうした大家は、入居者との関係を大切にし、長期的な信頼関係を築こうとする姿勢が見られます。
3. 値上げによる管理会社の負担
家賃の値上げは、多くの場合、管理会社が入居者との交渉を担当します。その際、
入居者からの苦情や不満が集中する
値上げに納得できない入居者が退去を決断する
家賃交渉に多くの時間と労力を費やす必要がある
といった課題が発生します。大家の中には、管理会社のこうした苦労を理解し、適切な対応を取る人もいれば、当然の業務と割り切る人もいます。管理会社への感謝を忘れず、適切なフォローをする大家ほど、良好な関係を築けるでしょう。
4. 健全な賃貸経営としての家賃値上げ
賃貸経営において、家賃の値上げは必ずしも悪いことではありません。しかし、
物件の価値向上と連動しているか
入居者の経済状況を考慮しているか
管理会社と協力し、スムーズに進めているか
といったポイントを意識することが重要です。単に利益を追求するのではなく、入居者や管理会社との関係を大切にする姿勢が、健全な賃貸経営につながるでしょう。
まとめ
家賃の値上げは、大家の考え方や人間性が大きく反映される部分です。自分本位に値上げを決める大家もいれば、入居者や管理会社の負担を考慮しながら慎重に判断する大家もいます。健全な賃貸経営を目指すためには、入居者の目線に立ち、適切なバランスを保つことが求められます。値上げを通じて、大家の人間性が試される時代なのかもしれません。
コメント