「中村さんと連絡つきません!」
突然賃貸管理担当の山上君から連絡が入ってきました。
いつも、家賃の遅れのない中村さんが、月初をすぎても
入金がないため、連絡をとったようなのですが、
連絡が付かなく、ご自宅にも訪問してもどうもお部屋におられないか、
もしくは倒れておられるかもしれません。と判断をあおぎに
連絡がきました。
私は取り急ぎ、現地に向かい、事務員には、中村さんの息子さんに
連絡を入れるよう手配しました。
現地に到着して、何度かインターホンを鳴らしますがいっこうに
反応がありません。
このような場合、こちらの合鍵で慌てて入室するのは禁物です
もしも、入居者が御不幸な状態になっている場合余計なトラブルを
起こしてしまいます。(こちらが、強盗や殺人犯の疑いがかかります)
そこで、入室するために警官に立ち会ってもらおうと警察に連絡して
いるところに、お隣の方が帰ってきて、数日前、玄関前で倒れられて
いるのを発見して、救急車を呼び、どこかの病院に連れて行かれたと
教えてくれました。
本人は、寒い外で倒れていて、生きてはいるものの意識朦朧したまま
だったそうです。
そこで、消防の方に連絡して先日救急車で運ばれた方のお部屋の
管理人であることをお伝えして、状況の確認をしました、どうやら
近くの救急病院担ぎ込まれているようでした。
私は、その足で病院に向かい、そのことを息子さんに連絡しました。
息子さんは、2ヶ月前から北海道に転勤になって、大阪の実家には
すぐに戻れる状況ではありませんでした。
そのため私の方で、息子さんの代わりに状況を確認して報告することに
なりました。
医師によると、病院に連れてこられた時点では、寒い外で倒れており
低体温症でかなり消耗し朦朧として入院しており、
数日間ははっきり受け答えできない状態だったそうです。
幸い、本人の財布にマイナンバーカードがあり、誰なのか?ということは
把握できたのですが、どこに連絡すれば良いのか?わからない状況だったと
言っておられました。
私が来たことで、息子さんの連絡先がわかり、すぐに病院から連絡をしたようです。
状況は、中村さんは数日前から体がだるく、それを改善しようと
近くの整骨院でマッサージを受け家に帰る寸前、玄関前でしんどくなり
そのままへたり込んで倒れてしまったようです。
その上外気も寒い中よけいに体力を消耗しお隣の方に発見されたときには
朦朧として、言葉もうまく話せないようになっていた様子です。
病院で数日後に回復したのですが、その時点でもまだ頭がハッキリせず
誰にも連絡できずにいたようです。
家であれば、当社の連絡先でも息子さんの連絡先でもメモがあり
連絡できたのですが、何せ外で倒れてそのまま連れて行かれたので
連絡先のメモも見ることができなかったので音信不通になってしまったのです。
一週間後なんとか回復されて、北海道から駆けつけた息子さんと共に
ご自宅に戻られました。
その足で、息子さんから相談を受けました。
「私は、急遽北海道に転勤になり、母を一緒の連れて行こうか、
迷ったのですが、知らない地に連れて行ってもよけいに
母親も馴染まないのではないか、それなら勝手のわかるこの町で
暮らしてもらう方が良いと判断したのですが、それが裏目に出ました」
「本人はまだ元気なつもりなので施設にも入ってくれません」
「しかしこんなことが起きると、すぐに現地にこられない私は
身動きが取れません、少しでも母の体調の変化が察知できていれば
もう少し打てる手もあったかもしれません」と途方にくれたように
息子さんが話してくれました。
そこで、私は、「確かに今回は大変でしたが、普段であれば元気な中村さんなので
施設に入ったりするのは嫌がると思いますので、安価な見守りサービスを
利用して、お母さんの状況を早期察知して、場合によれば、息子さんに変わって
警備員などの人の駆けつけまで頼めるサービスがあります、このようなサービスを
利用すれば遠方に転勤中でもあんしかもしれません」とあるサービスを紹介しました。
これは郵便局が行っている「見守りサービス」です、他社と比較しても安く、多様なサービスをオプションでつけることができます。
ざっくり紹介します。
「みまもりでんわサービス」毎日同じ時間に自動音声で電話をかけて、安否について電話機にボタンで答えてもらい、ご家族に体調をメールで連絡、2回連続で未応答の場合も家族に連絡をメールします。毎月固定電話なら1,070円で受けられるサービスです。
「みまもり訪問サービス」郵便局社員などが、毎月1回、直接訪問し、ご利用者との会話を通じて生活状況を確認の上家族に報告されるサービスで、写真なども添付して報告されるので様子がよくわかり、月額2,500円で受けられます。
「駆けつけサービス」もしもの時は、警備会社がご利用者のお宅に駆けつけるサービスで月額880円と一回につき5,500円の費用がかかるサービスです。(どちらも令和3年11月現在のサービスで今後も内容や料金が変わる可能性もあります)
特に、遠方に住んでいてすぐに駆けつけられない家族の場合は、駆けつけサービスは頼もしいサービスになると思います。
このように中村さんの息子さんに紹介しましたら、
「とりあえず、私が北海道の転勤中は、この駆けつけサービスも含めて、
郵便局で申し込むつもりです、あと連絡は、私と管理会社にもいくように
報告メールを設定させてもらいます。何かとお手間を取らせるかもしれませんが
よろしくお願いします」と言われたので、
私の方も入居者の状況を早期に察知できることはありがたいと思いますので
連携して、大切な家族の見守りのお手伝いをさせて頂きます」とお約束しました。
これからは、単身の高齢者の入居もますます増えて行きますので、このような
サービスがいろいろ出てくると思います。
それぞれのご家族の状況に合わせていろいろサービスを選択されると良いと
思います。
普段元気なお年寄りでも、不調は予測不能な状況で起きます。これからの長寿社会に
合わせて、準備しておくことが必要ですね。
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