商売は儲けるものだが・・・・

大阪商人が昔から口伝されている長者教という教えがあります。

その中では、自分も肉体労働で働きながらも、食べるお米の量を減らして、そのお米を貯めて仲間に貸し付けて利益を得る話ができます。食べたい欲望を制御してお金を稼ぐなみなみならない努力をする話があります。

商人ですから、儲けるのは当たり前なのです、しかし際限なく儲けを追求していくと、おかしなことになります。儲かると言って商人が暴利を貪ることは犯罪に近いと思います。しかし最近の拝金主義的なビジネスモデルでは最大利益を追求するものが多くそこではモラルハザードしたビジネスモデルも散見します。

自分だけが、会社だけが、儲かれば後はどうでもいい儲かることが正義とばかり、ガムシャラに進んで行きます。そのなれの果てが現在の資源の枯渇や自然破壊、貧富の差の拡大を招き、荒んだ地球になってしまいました。

例え商人といえども、最大利益を求めて邁進すれば必ずその歪みがやってきます。かつて大阪商人であった松下幸之助さんは、適性利益という言葉をよく使っておられました。暴利ではなく世間様からも納得していただけるお代で利益を頂き、会社や社員が養っていける、成り立っていける範囲で利益を上げればいいと言っていました。

これは現在のサステナブル社会、持続可能な社会の中ではとても大切な視点だと思っています。インターネットなどですごく儲かる、お金持ちになれると利益・儲けばっかりを煽っていることが正しいのか?皆さんも冷静になって考えてください。

例えば、物を安く買うことが正しいと思っている人も多いと思いますが、やすさを追求することは結局経済成長を損ね、自分の収入も減ってしまうというところまで配慮がありません。経済は巡り巡って自分にも跳ね返ってきます。

自分の得ばかりでなく、相手にも儲けてもらい、誰も犠牲にすることなく経済循環と成長を持続的に続けていける社会を作ることが、結局全ての人の幸せに繋がります。

自分だけの儲けに執着せず、周りの人も豊かになる発想を持ちたいですね。

ちなみに私も安いものが好きですが、本に関しては絶版でない限り、新刊本を購入します。いくら中古本が流通しても、その著者には印税は入りません。私も著者のはしくれ、少しでも自分の本が売れて印税収入になればと祈っていますので、他の著者にもその思いがあると思いますので新刊で買わせてもらっています。

『お互い様の世界ですね』

 

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