なぜ?不動産の登記簿謄本まで、見ないとダメですか?

不動産業者から回ってきた物件資料で、気に入った物件があるので、購入申込をしようと思っています。先生はよく登記簿謄本を買付前に確認しなさいと言うことですが、謄本を見てどの様なことに気を付ければいいのでしょうか?

この質問はよく頂く質問で、業者から売り出しているのだから、間違いないと安易に考えている方もいますが、購入は法律行為で最終的には自己責任です、素人だから確認を怠ったと言っても通用しません、そのためにしっかりチェックする必要があります。

尚、謄本をわざわざ自分で、法務局やインターネットで請求することまでは必要ありません業者の仲介物件の場合、謄本は業者が既に取得していますので
買付証明や購入申し込みを入れる時には、地番や家屋番号が必要なので業者から写しを
もらえれば、わざわざ取得する必要がありません。

では、なぜ謄本を見る必要があるかと言うと
法的な所有者が誰なのかが書いてあるからです。

売主と言って、謄本の名義以外の人が売ろうとする場合があります。
悪質なのは、全然関係ないのに詐欺的に販売する人です。

しかし謄本の上の所有者でないからと言って、正当な権利を持って
いる人もいます。

例えば相続人が亡くなっていて、遺産分割協議書が作成され
その方が相続登記だけが終わっていない相続人である場合です。

相続人が沢山いる場合、どの人がその不動産を相続するかは
相続人全員が合意した遺産分割協議書がなければ正当な相続者とは
言えません。

勝手にその物件を相続できるつもりで、権利もないのに売り出して
いる様な人もいます。

そのため、売主と謄本の所有者が違う場合、しっかりのその根拠を
確認しないと、手付金を持ち逃げされ帰ってこないこともあります。

この様に売主と登記上の所有者が違う場合も結構ありますので
その人が正当な所有者に当たるか確認する必要があります。

他にもよくあるのが、不動産業者が中間省略と言う手法で
現在の売主と売買契約して、例えば修繕リフォーム後、
別の買主に転売する時、わざわざ登録料を払って名義変更せず
そのまま最終の買主に売却後名義変更してしまう場合。

売主は不動産業者ですが、謄本の名義人は前所有者名になっています
この場合もなぜ所有者が売主と違うのか根拠を確認しないと
騙されることもあります。

あと謄本には、差し押さえや担保についての事項が記載されて
いますので、その様な場合は、本人の意思だけで売却できません。
差し押さえや担保設定者からの解除の同意が取れているかも
確認しなければなりません。

この様に権利関係の法律内容は全て謄本に反映されるとこに
なりますので、手付金を入れる前には必ず謄本を確認
することが、購入する方のリスクヘッジになります。

もちろん初心者には謄本を十分に理解できないこともあり、
全古協などは、相談員制度で第三者もチェックできる様に
しています。
その様な方がいない場合は、仲介業者や司法書士さんに
内容を説明してもらうことが大切です。

 

 

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